
同じ道具を使っても、仕上がりに差がある。
20代の頃、
友人が毎日使っているメイク道具を
プロのヘアメイクに同じもので、メイクを施してもらったら、
ビフォーアフターのような
全く別人のようなメイクの仕上がりになったのを
間近で見て驚いた事がある。
ハッキリ浮き出る線がぼやけ、ふんわりと柔らかく。
色の濃淡も主張から奥行きに変わり、
ザラッとした質感が、しっとりと吸い付くような質感に変わった。
それは同じ女から見て、
嫉妬するくらい美しい出来栄えだった。
相手がプロだからで片付けたくはない。
技術はさる事ながら
この差は何だろう、と今でも考えている。
同じ物を使っているのに、彼女の印象さえも変えてしまう。
いい物を持つ。持ちたい。
評判、おすすめ、人気。
「これ、いいよ」と
巷では“物に対して”の評価が至る所で溢れ返っている。
自分とて、そのメッセージに反応し
慣れない物や初めて買うチャレンジ商品など
そう言うなら。。と、レジに向かう事もしょっちゅう。
そういうものは案外失敗も多い。
テクニックが追いつかないヘアアイロン、
最初から必要性を感じなかったスキャナー。
丁寧な暮らしに憧れ見栄のために買ったポット。など。
結局使いこなせず、手放した。

使い慣れている物だったら、
自分の“指標”や“勘”が働く。
このパレットの色や質感は私の肌には合わない。とか。
20代と50代の今では物を選ぶ水準が高くはなっている。
これは長く生きてきた無駄に見えた経験値が、
少しは役に立っている。と言うことだろう。
良い物を持ちさえすれば、幸せに近づけるのか?
答えはNOだ。
どんなに良いものを持っていても
それを使いこなせなければ、ただのゴミになる。
どんなに高価で評判が良いパレットでも
使いこなせなければ、残念なメイクになるのと同じように。

自分がやりたいと思う理想と
実際には自分ができないと言う現実との
乖離をいかに無くすか。
だろう。
そこには当然、
やってみたけどダメだったと失敗をすることや、
背伸びしすぎている自分に気がつくことや、
能力やテクニックが追いつけるか知ることも大切。
では、どうしたらよいか。
何度もトライとエラーを繰り返す
方法(やり方)を変える
他の人に頼む
が解決策。だろうか。
冒頭のメイクの話にもどる、
メイクが上達するためには、何度も鏡の前で訓練する。
自己流だったものを一旦手放し、プロのテクニックを真似てみる。YouTubeでも情報は手に入る。
それでもうまくいかない、苦手意識が払拭できない。とするならば、他人の力を借りる。アウトソーシングする。

それには、
冷静に自分を客観視する事から始まる。
同じ家具、同じ収納グッズ、同じ間取り。
どうしてあの人と私は違うのだろうか。
やってみてダメだったら
自分に合った方法を見つける。
それでもダメだったら第三者を頼る。
モノに固執する暮らしから
コトに意識を広げる暮らしに。