heya-koto

BLOG

2026.01.18NHK【ドキュメント72時間】レビュー/長崎・対馬 島の小さな商店で

 

日曜日には

片付けの手を休めて

NHK『ドキュメント72時間』を。

(NHK+で視聴)

 

今回は

『長崎・対馬 島の小さな商店で』の回

 

 

長崎県対馬市にある、

人口二万五千人ほどの小さな島。

そこで営む商店と通う人たちとの交流の話。

 

 

 

 

1  島の小さな商店

 

商店には、果物野菜など主に食品が売られており

町の人たちの暮らしを支えている。

 

個人宅だけでなく、

飲食店や自衛隊駐屯地まで様々な場所に

注文があれば配達もして、

島の人たちにとって無くてはならない存在。

 

白菜一個でもすぐに配達してくれる。

年配の女性が喜んでいたのが印象的。

 

スーパーも足を伸ばせばあるが、

個人商店ならではの“ツシマヤマネコ米”を求めて離れた地から車で来店したり。

ずっと島で育ち、独立した息子さんのためにお米を定期的に送るお母さん。

島の人が待ち望む苺など。その告知はInstagramで、とイマドキ。

 

 

そこでしか買えない物がある。

 

 

 

 

 

2  三代目の言葉

 

3代目だと言う、7年目だという商店の店主。39歳。

 

以前は島を出て福岡でスポーツインストラクターをしていたが

Uターンで帰ってきたそう。

 

 

・・・・・・・・

 

 

「無くなってしまうんで。

私が帰って来ないと。

そうなったら困るお客さんもいる。

 

野菜も果物もあまりスーパーと金額も質も変わらないけど

 

何を買うかより

誰から買うか、って言う」

 

「生きがいがあるな、やりがいがあるな、と思います」

 

 

・・・・・・・・

 

 

この一言が全てを語っている

 

買う物は物だけではない。

 

 

 

 

3 故郷に思いを馳せ

 

この島には、彼のようにUターンする

幼馴染や同級生、お好み焼き屋を開業した女性などが登場する。

一旦は離れてもまた戻ってくる。

 

 

この島の若者たちは、

高校卒業後は9割以上が島を離れて独立する。そうだ。

帰るものあり、帰らぬものあり。

 

 

親としては子供にきっと帰って欲しいのだろうが

それは親がどうこうして手を出しているのではない。

 

 

代々から続く縦と横の、つながり。

登場した何人かも「(自分の)父親が同級生同士からのつながり」と。

 

かつては7万人いた人口も2万五千人に減った。

だからこそ、横のつながりも親密になるのだろう。

 

 

後半に登場した、酒蔵の若き社長と店主が仲睦まじく話す。

 

スタッフが「仲がいいのですか?」と聞くも

「いい時もあれば悪い時もある」と笑って答える。

仕事のことで意見が食い違う時は、思いっきり主張するのだろう。

 

 

こんな言い合える関係って、いいなあ、と思う。

お互いがプライドを持って仕事をしている。

店主が町内会の役員になった時に、誰もついてこなくて困っていた時に

彼(酒蔵の社長)が手を差し伸べてくれた、と言った友情エピソードもいい。

 

 

 

小さな島であるゆえ、想像するに、

都会にいったん出たものとしては、

帰った時にはこの暖かい感じが、少し窮屈に感じるのかもしれない。

 

 

それでも

自分を必要としている場所に身を置き、感謝され、励みになり

そんな毎日の積み重ねが

自分にとって幸せなのだと、この番組を通して感じる。

 

 

都会で暮らしていても孤独と感じることがある。とよく聞く。

お節介なくらいの故郷から逃げて都会に来たのに、誰とも接触がないことの裏腹な寂しさ。

それに気が付かずに過ごしている都会の人は、きっと少なくないはず。

 

 

 

私には故郷、というものがないが、

きっと望郷というのはこういうことを言うのだろう。

 

 

皆が家族のように迎えてくれて、帰ってこられる場所がある。

 

 

 

単に商店で食品を買う、と言うことではない

いろいろな思いがあって、初めてこの商店の良さがじんわりと伝わってくる作品だった。