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2026.01.04ドラマ【阿修羅のごとく】レビュー/やめられないこと

 

 

Netflixドラマ

『阿修羅のごとく』ドラマレビュー

 

今日は第6話

 

 

 

1 それぞれの「やめどき」

 

次女巻子がピーナッツを頬張るシーンから物語が始まる。

止まらない食欲に苛立つように、食器棚に映る自分の姿にピーナッツの殻を投げる。

 

 

イライラする巻子。

無理はない。夫の鷹男の不倫相手・赤木啓子が娘と急接近しているからだ。

リビングには、巻子が毛糸で編んだであろう、ティッシュカバーがかけられてある。

家や家族への愛情の表現のように、それは巻子の存在そのもの、であるかのようだ。

 

 

長女・綱子もまた腐れ縁の不倫相手・枡川との関係をやめられない。

三女・滝子は、自分にはない麗しい美貌とあっけらかんとした性格の四女・咲子への嫉妬が止まらない。

四女・咲子は夫陣内の、落ち目が見えてきたボクシングを「やめてもいい」と言うが、無理をする夫に複雑な心境。

 

それぞれ、やめたいのに「やめどき」が見つからない。

 

 

 

 

2 抱える「ゴタゴタ」

 

滝子の夫・勝又が綱子の不倫相手の枡川の妻から探偵の依頼を受ける。

勝又は綱子にそれとなく伝える。焦る綱子。

未亡人の綱子を心配し、巻子の夫・鷹男から縁談を持ちかけられ会うが、逃げ出してしまう。

 

 

巻子は鷹男の不倫相手にやきもちを妬きつつ、表情には出さないように必死だ。

母に一番近いのが巻子だ。専業主婦のプライドで壊れかけた家庭を守ろうとする。

綱子のお見合いの日に、突然仕事で家に帰れなくなったという夫を疑い、宿まで(着るはずもない)シャツを持っていくのを娘に見つかってしまう。

 

 

滝子は、小さい頃から対のように育てられた咲子への嫉妬がある。

勉強はできるが、咲子の美しさや要領の良さには叶わない、とずっと僻んでいた。

ボクシングで名声を上げた夫にも嫉妬は向けられ、どうかなればいい、と思っていた事を勝又に告白する。

 

 

咲子は夫の回復を待たず、試合に出る事を見守っていたが

案の定、試合は惨敗。容態が悪化し救急車で病院に運ばれる。

同居している陣内の母は新興宗教にハマり、いつも呪文を聞かされうんざりしている。

 

 

それぞれ、

外からは一見幸せそうに見えて

その実「ゴタゴタ」を抱えている。

 

 

 

 

3 後ろめたい事

 

綱子の家に不倫相手が来ている。

 

何か話があったのか?と聞かれて

思い出したような綱子が持ってきたのは“開かない瓶”

 

男手がない綱子の家には、彼が「夫役」として、きちんと居場所がある。

力ずくで開けようとするも、開かない蓋。

しかも「あれないか、あれ」で話は通じる。

奥の方から輪ゴムを持ってきて不倫相手に手渡す。

すっかり長年連れ添った夫婦のよう。

 

その時すっぽかされたお見合いの仲人の巻子が綱子の家にやってくる。

玄関越しに怒る巻子

 

・・・・・・

 

綱子「大人だから気が変わったのよ」

巻子「姉さん」

綱子「玄関先で金切り声出さないでよ」

巻子「あの人、相手の人になんて言ったらいいのよ」

綱子「他に好きな男がいます。別れられないって言っています。そう言いなさいよ。隠さなくていいわよ」

巻子「姉さん自分のやっている事恥ずかしくないの?!」

綱子「恥ずかしくないわ。恥ずかしくない。あんたはどうなのよ」

巻子「あたし?」

綱子「鷹男さんが浮気しているからって私に八つ当たりする方がおかしいんじゃないの?」

巻子「お姉さん」

綱子「みんな一つや二つ後ろめたいところ持っているんじゃないの?お父さんも。あの人とまたよりが戻ったらしね」

巻子「本当なの?」

綱子「70過ぎても男は男なのよ」

巻子「だから多めに見ろっていうの?そういうの大っ嫌いよ」

 

 

・・・・・・

 

その後、トイレが我慢できずに家に上がり込む巻子。

 

 

ケラケラ笑う、二人。

どこか楽観的な女たちの会話が秀逸。

 

人間の悲しい性を上手く描いているなあ、と驚く。