
『動線が良い』を疑う。
クライアント宅に片付けの訪問させていただくと
動線の良い間取りに出会う事がある。
例えば、キッチン、洗面所、風呂場が回遊できるように
全てのスペースにドアがあり、自由に行き来できると言うもの。
特にファミリーで暮らしているご家庭にはうってつけ。
小さなお子さんの手洗いや風呂上がりを
キッチンで調理中でもつぶさに、目が、手が届きやすい。
また、高齢者がいるご家庭も、同様。
何かと気が利く『動線』なのだ。
けれど、
メリットもあれば、デメリットもある。
実際自宅で経験した『動線が良い』を疑って?
検証してみたい。
我が家は築20年のマンション。
新築と共に入居したので、20年の歳月をここで過ごしている。
ダイニングスペースの真横に、洗面所、風呂場がある。

また隣にはキッチンも近くにあり
住み始めた当初は子ども達も小さく、キッチン調理しながら
子どもたちの手洗いや身支度や風呂上がりなどで、世話しやすかった。
当時から家事動線はまあまあ良い。
ダイニングテーブルに座ると、洗面所〜風呂場が一直線で見える。

引き戸があり、閉めれば空間は仕切られる。

ただ、TV視聴や話をする時に、
洗面所にある洗濯機を回そうものなら、ガタガタとうるさくてしょうがない。
そのため引き戸を閉め、多少は落ち着く。
普段、換気の為や
洗濯機を回している時も「あと何分か?」を洗濯機の表示を何度か見て家事を進めるので、
引き戸は基本的に開けっぱなしだ。
こんな微々たる事は慣れる。
困ったのは私ではない。
成長した子どもたち、だ。
来客中に帰宅する子達。
ダイニングで来客と談笑していても、
気を遣ってか洗面所には寄りつかない。
また風呂場がダイニングにあると「いつ開けられるか」
リスクがある。
母にも洗濯物を取り出したいなどの都合で
子供が入浴前にうっかり洗面所引き戸を開けてしまい、
平謝りする時もしょっちゅう。

鍵もあるが、入浴中に部屋の掃除をするため、
親の都合を思ってか、かけない。
自分が思春期だった頃、こんな光景になったら
開けてしまった親に対し、
間違いなくブチ切れる、だろう。
いつまでも『動線が良い』は通用しない。
子供が思春期になれば、
洗面所での髪のセット一つとっても
大事な時間で貴重なスペースだ。
プライベートの空間をより必要とする。
中高生が部屋に篭りがちなのはこれだ。
誰にも邪魔をされたくない。

また子供だけに限らず、
歳を重ねたり、親との同居などで
2階にダイニングや水まわりの生活スペースがあっても
階段の上り下りが難しくなり
1階に生活スペースを移動する、というご家庭も見てきた。
『動線』を見直すタイミング。
それでも
間取りや水まわりの環境は変えられない、
と言う場合は多い。
慣れることも大切だが、
家庭ルールやそれまでの収納を見直しをする。
例えば、
洗面所に入らないよう、洗濯機を回す時間帯を変える。
ファミリークローゼットを一部解体し
子供部屋には子供の服を移動。
雑然と物が入っていた
廊下収納をパントリーや日用品ストックコーナーに変える。
2階の物干しを1階の空き部屋に「サンルーム」代わりにつかう。
思春期の子の子供部屋にドレッサーコーナーを作る
などなど。

家事だけの動線だけでなく、
家族の成長なども見直しには常に必要。
片付けや収納でも動線を見直す事は可能。
家だけでなく人間の暮らしも変わる。
是非参考に。