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2025.10.25どう接する?【片付けが苦手な子ども】には

 

 

「全部、触らないで!」

 

 

以前、クライアント宅に片付けに伺った際に

そのお宅のお子さんから言われた。

 

見ると学習机の前には、ビニール紐で

ご丁寧に“バリケード”まで張ってあり

紐にくくりつけてある

張り紙には「片付けないで」と子供の字で書いてある。

 

 

そんなに片付けが嫌?

 

 

 

1   突っ込む

 

「片付けなさい」

 

子供にこう言っていないだろうか。

 

私も親からこうやって育てられた。

 

その結果、片付けとは

押し入れの中に床に散らばったおもちゃや本を

突っ込む」ものと思っていた。

 

親は床に物が無い状態が「片付いた状態」言う認識だ。

 

 

 

突っ込むくらいだから。

おもちゃや本は当然大切に扱わない。

 

雑然としたカオス化した

押し入れの中が私の「片付けの原風景」だ。

 

 

 

 

2   大変だと思う

 

以前娘が小学生の時、自宅に友人が遊びに来た。

そこそこ片付いた娘の部屋を見て友人が

 

毎日こうやって片付けてるの?大変だね」

と娘に話していたのが耳に入った。

 

娘は特に反応はしなかったが

それを聞いていた私は

「そうか、大変と捉えるか」と妙に納得した。

 

当時、和室にあった娘のスペースは

夜になれば寝室になり、布団を敷かないと寝られない。

必然と畳に転がっている

ランドセル、教科書、おもちゃは“夜までに定位置”に戻す。

 

 

 

学校でも自分の持ち物は決まっている。

必要な時は自宅から絵の具、書道、彫刻刀と持参する。

引き出しの中はぐちゃぐちゃだって、しまう事がルール。

ロッカーは誰が何て言っても?!一人づつ。

そんな学校は散らかっていない。

 

 

はたして

片付けは大変なのだろうか?

 

 

 

 

3    捨てられたくない

 

これは

沢山のお子さんを持つ親御さんから話を伺い、わかった事。

 

片付けが苦手、と思う子供は

親も片付けが苦手な場合が95%以上である(金内調べ)

 

 

親が苦手だと子に伝染する

 

 

 

 

 

冒頭のクライアント宅に戻る。

 

バリケードを張り、片付けないで!と言われた

片付けのプロである私は

踵を返して、仕事をせずに帰ってもよかったのかも知れないが

 

使命感で突き動かされた。

 

そして

お子さんにニコッと笑って見せた。

 

「何が嫌?片付けるの面倒くさい?」

 

まだ小学低学年のあどけない顔の男の子。

下を向きながら、言いにくそうに

 

捨てられるのがイヤ」

 

ポツリポツリと話し始めた。

 

「そう。じゃ捨てないで整頓しようか。一緒に」

 

 

案外すんなり受け入れてくれた。

あんなに“宣戦布告”してたのに。

 

一つづつ、子供部屋の物を

「これって何?どうやって使うの?」

と確認した。

 

次第に打ち解けてくれる手ごたえを感じつつ、

一切モノを捨てずに片付けが終わった。

 

 

バリケードは外され、学習環境が整った机は

緊張感さえも感じられる程、だった。

 

 

一部始終、見守っていたクライアントのお母さんは

ホッとした様子。

 

 

 

何よりお子さんの態度が180度変わったのは

 

大変でも、突っ込むだけでも、捨てる事でも無い事を

証明してくれた。

 

 

大人の関わり方で

苦手だと思う事も、苦手で無くなる。