以前、
片付けサービス訪問先でのこと。
クライアントとの会話の中で
「私なんか」「どうせ片付けても同じ」「捨てられない人だから」
かなーりネガティブな言葉を使う方と、会話をした事がある。
こちらも負けじとポジティブな言葉で応戦しようと試みたが
相手は、なかなか手強い。
ああ言えばこう言う。こう言えばああ言う。
そして、堂々巡りの会話が続き、片付けに着手できない。
家族が、友人が、もしや自分も⁈
こんな言葉を使っていたらどう切り返す?解消する?
「片付けが苦手」意識がある方に対して
励ましだけでも、聴くだけでも、ましてや解決しようなんておこがましい。
ではどうすれば?
捨てられない→物持ちがよい
買いすぎてしまう→好奇心旺盛
散らかってしまう→おおらかゆえ
モノは言いよう。
つい否定的な言葉で自分を責めがちだが
前向きに捉えるだけで、気持ちがあとからついてくる。
いくら気持ちを理解しようたって、
全てを理解できないのが現状ではないだろうか。
理解することを目指さない。
また
目の前の相手は急には変えられない。
励まし、言い換えというツールを使い「その気」にさせる。
「小さい頃、親から片付けと掃除が出来ない子、として扱われていた」
ある、クライアントから聞いた言葉。
他人である自分は親子間までの介入は出来ない。
しかもクライアントの親と言うのは既に他界しており
二人の未来は変えられない。
彼女自身の心の中での整理をしたいのだと感じた私は
「そうなんですか。
お母さまが掃除と片付けが出来ないと」
そのままクライアントの言葉を復唱した。
続けて、彼女は話し始めた。
「いつも親は掃除も片付けもやらず、子供(だった)の私に押し付けてきた」
「それで掃除や片付けが苦手になった」
ご自分で過去を自分の言葉で清算された。
私はただ、復唱しただけだ。
全てではないが、悩みを吐露する時
相手が「答えが欲しい」「解決したい」ではない場合もある。
逆の立場でもよくある。
友人との会話の中で
自分から愚痴や自虐を含めた言葉を発する時があるが
「そんな事ないよ!」
と言われた時に違和感を覚える。
そんな人間じゃないよ。あなたは、と。
励ましのつもりで言っているのはわかる。
が、暗に言われること自体、嬉しくないし、どこか空々しい。
ひねくれ者の私は“ポジティブな否定”は欲しくない。
「そうね、あなたって頑固かもね」
私が発した“頑固”にそのまんま反応でいい。
「頑固じゃないよ」より、よほど相手を信頼する。
同じく
「片付けられない」「捨てられない」「散らかる」
そんな時、相手を励ますために
ウソをついて「そんな事ないですよ」とは言わない。
片付けの依頼をしている先方まで否定する事になる。
正直に
「確かにそうかもですね」
「そうですか?」
とまずは感じたまま。
「片付けられないとはどの部分で?」
「主に捨てられないのは何ですか?」
「散らかるのはどんなタイミングで?」
など、その時々での具体的な質問をセットで投げかける。
答えは出さないようにする。
自分の意見やアドバイスは最終手段。
聞かれた時と、原因がわかって伝えた方が良い時、
今後の暮らし方を提案する時に話す。
会話の中で自然にラリーが出来ると
相手だけでなく、こちらも。
お互いの気持ちが楽になる。
あなたの周りの人間関係がより良くなる事を願う。