娘(中1)の本棚から、拝借。
『WIND BREAKER』23巻
にい さとる 著
講談社
発売日に合わせて
新刊の23巻を購入したので、早速読む。
漫画もアニメも、娘からの影響だ。
ここ最近、学生の時以来30年以上ぶりに漫画を読んでいる。
しかも少年漫画は51歳になって初めてだ。
あっという間に読み終わってしまった。
何でこんなに面白いのだろう。
不良、イケメン男子たち、喧嘩。
もはや50過ぎのおばさんが「読む物」ではないかとお思いだろう。
いやいや。これ、理屈ではなく
「本能が欲しているかもしれんな」と思っている。
以前もWIND BREAKERレビュー記事を執筆したが
ブログ:
今回も23巻を中心に深掘りしたい。
この漫画は喧嘩が多い。
半分は喧嘩、と言っても良いだろう。
しかし、ただの喧嘩ではない。
弱き者を助ける「喧嘩」なのだ。
街のため、人のため。
綺麗事ではない。
ここにグッと心を鷲掴みにされる。
特に23巻で登場した
施設に入ったばかりの菜月が
何をするにも反抗的で、お祝いの歓迎会をすっぽかし
出た先でトラブルに見舞われる。
そんな時、主人公・桜 遥(さくら はるか)が彼女の後を追う。
桜もまた、過去に大きな傷を負っている。
菜月を助ける桜の表情がたまらない。
これまで見たことがない桜が顔を出す。
書店に行ってみて、漫画コーナーをのぞいていただきたい。
『WINDBREAKER』の表紙は他の漫画本と比べ、背景が白地で実にシンプル。
23巻では
キーパーソンである、
隣町の獅子頭連(ししとうれん)の十亀(とがめ)と桜のツーショット。
しかも手には「梅」と「桜」を持っている。。。
表紙だけ見ても気持ちが動く。
白地が背景というのは、登場人物をより浮き立たせる。
他のことはゴタゴタ説明などいらない。
そんなメッセージさえ感じる。
キャラもこんなにもいるのに全員把握できる。
世のアイドルの顔がどの子も同じように見えて覚えられない、
おばさんにとってはすごいこと、なのだ。
細やかなタッチにもため息ができるが
タッチだけではない。
登場する不良たちの“箸の持ち方”がちゃんと躾けられていない描き方だった。
(母目線)
こんな細やかな配慮にも思わず膝を叩いた。
23巻では桜の苦悩するシーンがある。
風鈴高校の「てっぺん」梅宮の存在を超えられないと
かつては敵対関係だった、十亀に相談する。
桜に十亀は
「桜は梅にはなれない」「なる必要もない」
「桜は桜なんだから」
ああ、ええ言葉じゃ。
やはり十亀はただものじゃない。
昭和の雰囲気がある(と勝手に思っている)十亀は
私たち中年のファンもいるのではないだろうか?
冬には実写映画化されるようで、そちらも楽しみにしている。