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2025.04.20ドラマ【北の国から】第1話 レビュー/覚悟はあるか?

 

日曜は片付けの手を休めて、

ドラマ『北の国から』を。

 

 

『北の国から』は1981年〜1982年に放映されたテレビドラマシリーズ。

(他にもスペシャルもある)

 

倉本聰氏が指揮を取り、

北海道 富良野の広がる大地の美しさと

親子のストーリーを見事に描いた、

これ以上ないと断言したい、最高のドラマだ。

 

 

先日、ぼんやり見ていたYouTubeのおすすめ動画で『北の国から』の名シーンが偶然に上がった。

懐かしさと共に見入ってしまう。

思わずFOD(フジテレビジョン運営のオンデマンドサービス)に加入。

 

なにより観ていて驚いたのは

当時観ていた時とは明らかに異なった視点だった。

大人になった自分が、改めて『北の国から』の見方が変わったのだ。

 

これをきっかけにドラマレビューを毎週日曜に書きたいと思う。

「なぁんだ、片付けの話ではないのか」とがっかりされるかもしれないが

永遠のテーマである、親とは?家族とは?を深掘りできればと思う。

 

 

さてこのドラマ、シリーズで24作ある。

自分でも見切り発車のため、大風呂敷を広げたものの続けられるか?

いささか不安で未熟なレビューになってしまうかもしれないが

ご容赦いただきたい。

 

 

 

1 名シーン「電気がない?!」

 

東京から富良野の家に越してきた五郎と子供の純、蛍の3人。

かつて五郎が住んでいた、廃屋に暮らすことになった純が放った言葉。

 

「電気がない?!」

黒板五郎の息子、純が驚いて父にさらに食い下がる。

「電気がなかったら暮らせませんよっ!」

 

静かに答える父、五郎

「そんなことないですよ」

 

「夜になったらどうするの?!」納得のいかない純。

 

「夜になったら眠るんです」五郎。

 

眠るってたって、だって、ごはんとか勉強とか。。」不安を隠せない純。

 

ランプがありますよ。いいもんです

五郎の一貫して落ち着いた様子とは対照的な、純の慌てふためいた表情。

 

 

 

 

2 大瀧秀治の静かな存在感

 

脇を固める俳優陣、

いしだあゆみ、岩城滉一、地井武雄、竹下景子、などの豪華な顔ぶれの中でも

特に異彩を放つのが、

黒板五郎(田中邦衛)のいとこ役の北村清吉(大滝秀治)の存在だ。

 

地元の人間さえ、五郎が住もうとしている家に「とても住めたものではない」「子供を連れて。。」と悲観的。

 

だが、富良野の地の初日に、いとこの家に泊まった五郎が清吉だけには

自分が“妻に捨てられた身”であることを告白する。

何かを悟った清吉。

それからというもの

静かに受け入れ、五郎をかばう。

 

特に先だって何かを行動するでなく、穏やかに大きく包み込む。

居るだけでこんなに存在感のある人間っているか?!

当時の超絶かっこいい息子役の岩城滉一が霞むくらいだ。

 

 

これぞ父親の存在だろう。

それまでは、「父とは?」父の象徴的なもの、など興味なかったが

本当に強い、というのはこう言った人ではなかろうか。

 

 

 

 

3 不安定ながらも五郎の覚悟

 

五郎というのは、ダメ親父、である。

そのダメっぷりがまたいい。

 

純に車の中で「かそ(過疎)って漢字でどう書くの?」と聞かれても、学のない五郎は話を逸らすし

 

家にクマが来たと思い込み、工務店の若手の“クマ”だとわかった瞬間、

腰を抜かしそうになって、へらへらと話すくだりは共感と悲哀を感じる。

 

幼い娘の蛍に励まされ泣くのを堪え、川の水で顔を洗うふりをする。

 

 

もう〜〜!!父ちゃん頑張って!!

 

と思うが、1に立ち戻る。

 

電気も水道もない家に幼い子供を連れて越してきた。

周りからの反対があっても、富良野に来た。

 

この1話で感じたのは

父親として、

全てを捨てて、イチからやる「覚悟」だろう。

 

 

私には何かを犠牲にしてまでの「覚悟」はあるだろうか?