新年度、
町内会の役員、PTAの役員、子どもの部活保護者会長など。など。
くじ引きで、じゃんけんで、あみだくじで。
不本意ながらリーダーに選出される人もいるだろう。
そんな「思いがけずリーダーになってしまった/なる」人に贈りたい。
『知的生産術』
出口治明 著
日本実業出版社
リーダーになるということは?
著者の出口治明さんは
立命館アジア太平洋大学(APU)学長
前職はライフネット生命創業者でもある。
出口さんの話はとてもわかりやすく明快。
過去に何冊もすでに読んでいることもあり、出口節が今回も沁みる。
内容は以前とリンクするような文言が繰り返し記されており、
至極、実感し、かつ実践的である。
近年の大学共通テストにもあるように、
教育現場でも「自分の頭で考えること」の大切さを問われている。
同じく社会に出ても指示待ち人間、上司からの命令に何も疑問を持たず
言われたことだけをやるような人間はこれから先、生き残れない。
本書の中で、出口さんは新しいアウトプットのために「人・本・旅」のインプットを推奨している。
いつもと同じ景色、いつもと同じ味、出かけないで閉じこもる。これでは何も変わらない。
とかく人は変化を嫌うものだが、あえて自ら「トンガって」飛び込むこと。
新しい視点を取り入れるために。
リーダーになったら感情論や根性論や精神論で人は動かない。
本書の中で「数字・ファクト・ロジック」で考える癖をつける大切さに何度も触れている。
P98・・・・・
・数字‥‥‥相互に検討可能なデータのこと
・ファクト‥データに関連する事項や過去に起こった事実のこと
・ロジック‥数字とファクトに基づいて実証的に理論を組み立てること
(本文より抜粋)・・・・・・
これは人にものを伝える時にも大いに役に立つ。
自身も身につけたい術である。
また過去の成功体験に頼らないことの大切さを解いている。
皆がこう言ったから、以前はこれで大丈夫だった、などの抽象的な表現は人から信用されにくい。
本書を読んで特に印象的だった
スケジュール管理をするのに手帳と腕時計を持たない。という内容
(p157 )
手帳を2冊持っていることで部下が管理していたスケジュールの多重ミスがあった経緯や
待ち合わせで待つことが嫌で、イライラしていた過去から著者が持つことをやめた腕時計。
失敗や怒りから生まれたものを、潔くすっぱりと手放す。
その代わりになるもの、デスク上のスケジュール帳、スマホの存在も使いこなす。
そんなリーダーが生み出すものは、
自身の余裕であり、部下の自由な発想を湧き出す力だったり、体内時計での健康を手に入れることだってあるだろう。
実際にこれを見聞きした真似をする、と言うことではなく
このヒントをもとに、自分だったら何を捨て何を得るか?
無駄なものを見つけ、新しいものを作り出す、
これぞ
知的生産術、そのものである。